ベルギー陶芸便り

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ハンドバックデザイナー Dominique Dufait

ハンドバックデザイナーのドミニクに出会ったのは、彼女からの電話がきっかけでした。

西フランドル州が主催するイベント(Buren bij Kunstenaars)、オープンアトリエデーを開催するにあたり、
相互交流の為に、おすすめ訪問作家リストに参加しませんか?というお誘いを受けたのです。
突然の電話に戸惑もあり、まずはリストに参加予定のアーティストの情報を送ってもらうように頼むと、
すぐにメールを送ってくれました。
彼女は、ハンドメイドで革の鞄を作るクラフト作家さんで、彼女のサイトに一目惚れ。

すぐに、是非参加させてください!と返事をし、お互いのアトリエを訪問する約束をしました。
まずは私のアトリエに彼女が来てくれ、色々とためになる話を聞くことが出来ました。
ベルギーは、レースにしても、タピストリーにしても、伝統工芸が注目される機会は少なく、
様々な工芸技術が、現代から忘れ去られようとしています。
同じクラフトの世界に身を置く彼女の話は、うなずけることや、勉強になることがたくさん。

私が彼女のアトリエを訪ねたのは、その二日後。
ブルージュの旧市街を囲む運河から一歩外へ出て、ダムの町へと続く運河沿いに彼女のアトリエはありました。

建築の勉強をし、ご主人と共に建築士として建築事務所を営む傍ら、
全く手探りの状態で、完全にハンドメイドの、ハンドバック作家への道を歩んだドミニク。
建築の要素を取り入れ、機械を使わない最も伝統的な職人の技法を使って
一針一針、丁寧に仕上げることにこだわった作品は、とても魅力的で
多くの人に知ってもらいたい!見てもらいたい!と思うようなものばかりでした。

彼女のこだわりを実現するために、実に8年間の試行錯誤の時があったそうです。
どこで革を手に入れるのか、どこで技術を学べるのか。全て手探りで、
行き着いたのは、サドル(鞍)職人。それだって、もう今のベルギーでは
忘れ去られ、消えてしまいそうな古い伝統技です。
そこで、皮の扱い方、道具、職人の手仕事を学び、
素材も、天然素材だけを使うことにこだわりました。
革の染色も、全て自分で行うとのこと。

彼女はその場で、革を縫い合わせる実演をしてくれました。
古めかしい、不思議な抑え器具を使って、一針一針塗っていく姿は、
それだけで、格好良く、そうやって丁寧に仕上げられた作品がより一層素敵に見えてきます。

彼女の天然素材へのこだわり、ひとつのバッグを手にとって、見せてくれました。
よーく、革の表面を見てみると、血管の筋が見え、ポツ、ポツッと、斑点があります。
これは、虫刺されの跡なのだそうです。
他のカバンには、よく見ると、傷跡の痕跡が残っているものあり、
彼女は、この自然にできた模様が、美しいと語ります。
この素材を愛し、リスペクトし、大切に作品作りをしていることが伺える瞬間でした。

そして彼女の作品の代表的なシリーズは「T-bags」
言われてなるほど、紅茶のティーバッグの形から着想を得て作られたカバン。
スタイリッシュに仕上がっています。

ドミニクは、建築の勉強をしたあと、ファッションの勉強もし
服飾デザイナーとしての活動経験もあります。その経験を通して、
商業的、大量生産の世界からは正反対の、伝統工芸の世界に惹かれていき、
自分の世界を、そこに見出したのです。

ドミニクのアトリエは、毎月第一土曜日(1・7・8月を除く)14時から18時まで一般公開されています。
サイトを見て、興味を持たれた方、是非一度本物を実際に手にとってみてはいかがでしょう?

希望がありましたら、ブルージュ駅から車でご案内します。

DOMINIQUE DUFAIT

Damse Vaart-Zuid 79 B-8310 Sint-Kruis Brugge
http://www.b-used.be/
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by rihaya | 2010-10-19 07:11 | ベルギー徒然
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ベルギー在住陶芸家 津田梨早の活動・制作日記


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